バスドライバー経験を活かして指導員として奮闘中!再びの取材の中で見えた、新たなキャリアステップの形。
野原 さん 【 2016年 入社 】
kmモビリティサービス大森営業所 バスドライバーバスドライバー野原さん、再び登場!
大森営業所での乗務と新たなキャリアステップ
前回の取材からしばらく経ちますが、現在は大森営業所の方へいらっしゃるんですね。
実はコロナ禍をキッカケに、国際自動車(kmモビリティサービス)の組織改編があり希望者はこの大森営業所の方へ異動してきたんです。中には、そのタイミングで転職を選ぶ人もいました。私自身も悩んだのですが、kmモビリティサービスで働き続ける選択をしました。
コロナ禍という状況下で、kmモビリティサービスで働き続けることを選択した、いちばんの理由は何だったのでしょうか?
観光バス、路線バス、送迎バス(デパート等のシャトルバス)など、ドライバー職の幅広さが大きな理由だと思います。コロナ禍においては観光バスの仕事は極端に減少し、その関係で「観光バス一本」で経営していたバス会社さまは相当厳しい状況に追い込まれたと聞きます。そんな中kmモビリティサービスは、観光バスにおいて打撃を受けても、路線バスや送迎バスの仕事でカバーし、安定を保つことができたんです。これまでやってきた観光の仕事も今では少しずつ復活し始めています。以前の経験と、新しい仕事で得たスキルを活かして働いています!
前回の取材では、修学旅行やツアーの観光バスについての話題が中心でしたね。
実は、当時も月に数回路線バスの仕事をお手伝いしていたんです。ぶっちゃけた話、はじめは路線バス中心の仕事に変わることに不安を感じていた部分もありまして…。やはり、「観光バス」と「路線バス」では、仕事の内容が全然違うんです。観光バスの仕事が中心だった頃は毎日違う道を走り、時に遠征もあり。日々の移り変わりや人との出会いをモチベーションに頑張っていた所がありまして。それが、路線バスでは毎日同じルートを周回する、ある意味ルーティンワークを含む仕事。どこまでモチベーションが維持できるのか、不安がありました。
なるほど、確かに同じバスドライバーでも仕事の内容が大きく変わりますね。
ただ、寧ろ毎日同じルートを走る決まった仕事の方が向いているというドライバーの方も多いんですよ!人それぞれ、魅力の感じ方は違うようです。一人ひとりの捉え方を知ってから、路線バスの魅力に気付き始めた部分もあります。モチベーションの見付け方は、個人次第ですね!
それでは、今は観光バスドライバーの仕事も、路線バスドライバーの仕事も、こなしているんですね!
それが、実はこの春に指導員に就任しまして…!乗務より内勤の仕事の方が多くなりました。週に1回乗務が入るくらいのペースですね。配車、ドライバーの管理についての業務が主となっています。指導員になってから、毎日分からないことばかりで、勉強の日々ですね(笑)。指導する側というのも、なかなか経験がなく…。
前回の取材では、自身の運転を見せる「背中で教える」指導についてお話しいただきましたが…。
そうですね。これまでは、運転スキルについて「見せる」指導が実践できたんですが、指導員という立場に変わってからは言葉で説明すべき場面が多くなりまして。乗務に専念していた頃は、あんまり対話の中で教えるという場面がなかったんです(笑)。ただ、せっかく指導員という新たな環境を与えていただいた分、自分なりに成長できるよう頑張りたいと思います。また、教えながら、後輩の運転や振る舞いから学ぶことも多くありますよ!
中途入社ならではのモチベーション?前職のスキルを活かして働く
指導員という立場になって新たな気付きを得たという野原さん。後輩達とのエピソードを教えてください!
先程私が触れた、どうモチベーションを作るか…という部分ですが、本当に人それぞれなんですよね。ドライバー達とコミュニケーションを取る機会が増え、一人ひとりの考え方やアイデアに触れて自分の考え方も洗練されているように感じます。特に、中途採用で入社しバスドライバーとして活躍しているメンバーは「前職のスキルを活かしながら働く」ということ、それ自体がモチベーションになっているようです。これまでの経験がどんな業界・職種のどんな能力であろうと、運転・コミュニケーションの中で必ず活きてくるんですよ。
中途入社の方ならではの働き方、その「前職で得たスキルを活かす」こと自体がモチベーションに。
一方、新卒採用で入社した新人メンバー達もなかなか面白い考えを持っているんです。これまで私は、「観光バス」と「路線バス」どちらか片方の仕事に専念できる環境がベストなのかな、と思っていたのですが…新人メンバーの中から、「kmモビリティサービスなら、観光も路線も、どちらの仕事もできる!」という言葉が聞こえまして。実は、様々な種類のバスを運転できるということが、kmモビリティサービス”唯一無二”の魅力になっていたんです。
なるほど。中途入社のメンバーも、新卒入社のメンバーもそれぞれ考え方が違っているんですね。
そんなバラエティ溢れるメンバー達が集まっていると、指導を一本化するのも大変で(笑)。やっぱり、自身の体験、特に失敗談も含めて赤裸々に話すことが大切だと思います。指導する側も、バスドライバーの困難をすべて味わってきたんだと。だからこそ伝えられることがありますし、その分真剣に向き合ってくださいますね!
今度は指導員としての立場で。「不安を取り除く」アプローチとは
ドライバーの方にいつも聞いているお決まりの質問なんですが…野原さん、お仕事の際に必ず持ち歩いている「こだわりの一品」はありますか?
いつも持ち歩いているのは紙の地図。この本は、もう20年使い続けています。自分で書き込んだ地図情報が詰まっていて、もう今更変えられなくて…。最近はグーグルマップなど、アプリを使う人がどんどん増えているんですけど、バスドライバー視点だと普通のアプリじゃ情報が足りないんです。グーグルマップで示された道が…「バスだと通れない!」ってことがあるんですよ。
確かに!道幅の都合など、異なる部分が多いですよね。
高さ、幅、その他諸々…バスならではの情報を地図に詰め込む必要があるので、やっぱり紙じゃないと追い付かなくて。一回、千葉県の地図だけ新調して、ぜんぶ書き写したんです。…いやー…相当大変だったんです。一週間掛かっちゃって…。ですから、もう東京の地図は書き写せないですね(笑)。
こだわりの地図、歴史が刻まれています…!続いて、野原さんならではの仕事のこだわりポイントを教えてください!
出庫時にバスを動かし始めたタイミングで、その車両の「癖」を見抜くこと。これは欠かさず続けています。バスは一台ずつ、タイヤの感触、ハンドルの固さ、アクセルの踏み具合・ブレーキの効き具合などなど微妙に違うんです。運動前に体操するみたいな感じで、調子を確認しながらスムーズに乗務に入れるように。そんなイメージでしょうか。
こういった安全管理のポイントは、指導の際にも声掛けすることが多いんでしょうか?
そうですね。指導員の立場になって、どう安全・安心を守るかという点を強く指導するよう心掛けています。ただ、「こうすれば安全運転できる」という方法論だけで成り立っている物ではないんですよね。ドライバーの精神状態というか、メンタルの部分が安定していることがいちばん重要で。ですから、「気付きを与える」よりも先に「不安を取り除く」という視点で接するようにしています。例えば、点呼の時の「忘れ物気を付けてね~」の一言だけでも大きく変わるはず。しっかり準備して、心を落ち着かせた状態になって初めて、バスの「癖」を感じ取る余裕ができるわけです。
今ふと思ったのですが…新人ドライバーの方って、入社して初めてあの12mの大型バスを運転するんですよね。それって、めちゃくちゃ緊張するのでは…。
そうですね。免許を取得して、研修を経て…という形になるのですが、それもkmモビリティサービスならではの良さがありまして。送迎バス(シャトルバス)や小型観光バスなど、幅広い車両を扱っているので、小型で練習を兼ねて実戦、大型車両にスキルアップできる環境があります。
前回の取材では、観光やツアーでの子ども達の笑顔がモチベーションに…というお話がありました。路線バスでも、毎日通学で使う子どもの姿が見られる…など、触れ合いの時間がありそうですが…!
もちろん、そのような機会もありますね。ただ、観光バスの時のコミュニケーションとは異なる部分も。なんというか、環境が違うかな…。お客さまが立って乗車される路線バスと、座って乗車される観光バスでは、根本的に異なる部分が多いんです。立って乗車する方もいる路線バスは、より安全運転に注力する必要があります。その上で、決まった時間に停留所に到着するというスケジュール管理も同時並行で行うんです。そのためお客さまとのコミュニケーション、会話の機会を作ることが難しいんですよね。ただ、それでも降車の際にお礼の言葉をいただいたり、顔を覚えてくださるお客さまがいたり。私自身、苦手意識をもっていた路線バスのドライバーですが、新人メンバーの言う通り「観光」も「路線」も両方経験できるってのは魅力的ですね(笑)!