数々のドライバー職を経験、そして出会った“海を渡る路線バス”!中途入社ならではの視点で語る、50代からのキャリアステップ。
星野 さん 【 2023年 中途入社 】
kmモビリティサービス バスドライバー前職はロケバス・路線バスのドライバー。それ以前に、とある業界にいて…?
バスドライバーとして活躍中の星野さん。まずは、これまでのご経歴からお聞かせください!
国際自動車(kmモビリティサービス)へ入社する以前も30年近く、ドライバーとして働いておりました。ロケバスのドライバーとして8年半程、後に路線バスのドライバーへ転職し14年程。貸切バスの会社の方でバスドライバーを経験した後kmモビリティサービスへ転職し、今度は再び路線バスドライバーを中心に…といった具合に、さまざまなドライバー職を経てスキルを磨いてきました。
最初のキャリアから運転に関する仕事をされていたんですね!
実は、その前にまったく異なる業界で働いていまして…。自宅が自営業で飲食店を営んでいた関係で私も飲食業界で修行を積んでいたんです。ただし経済の流れとともに下火になってしまったんです。その結果、こんな状況だからこそ、好きなことをしようと思い切ったんです。当時から車が好きだったので…ドライバーの仕事をしてみようと。
なるほど、そこで新たな道へ進む選択を。
いざ転職活動を始めると、「車を運転できる仕事」以外への興味関心は皆無で(笑)。とにかく求人情報を探して、ロケバスのドライバーの募集を見付けたんです。その仕事はファッション雑誌に掲載するモデル写真撮影のための配車が中心でした。業務内容は、まずスタイリストの方をお乗せしてリースの洋服を集荷。撮影に使う衣服を集めるため、一日中店舗を回るんです。荷物を集荷して車に乗せる所まで業務に入りますから、一種の肉体労働ですね。そして、撮影当日。カメラマンの方、スタイリストの方、モデルの方、編集者の方…とピックアップして現地まで。撮影のお手伝いもこなします。ドライバーといっても、業務内容は結構幅広かったですね。
8年半という長いキャリアということで、ご自身に合ったお仕事だったんでしょうか。
ロケバスの仕事は、性に合っていましたね。人と接することが好きだったので、毎日違うお客さまと一日中お話しながら、車の運転ができるのは魅力的でした。ただ、次第に内勤のお仕事、特に運行管理の仕事が多くなってきまして。運転の仕事から離れることが増えた上、その内勤の業務が激務だったんです。貸与されている携帯電話一台で、十数人のドライバー全員と24時間やり取り…。イレギュラーが発生した場合は、すべて私が対応しなけらばならない状況に。元々ドライバーがしたくてこの業界に入ったのになあ…と自身のキャリアを改めて見つめ直すキッカケになりました。
路線バスから観光バスまで。ドライバー職を駆け抜け出会った「海を渡るバス」
そこで、再びドライバー職を軸に転職活動を始めると。しかし、次に選んだのは「バスドライバー」だったんですね。
そうですね。車が好きなので…やっぱり「大きな車を運転したい」というのが目標というか、夢というか(笑)。「大型の車両を運転できるチャンスは今しかない!」と思い、バスドライバーに絞って転職活動を始めました。就職したのは路線バス中心のバス会社。ここでも、14年という長い期間お世話になりました。その間ドライバーとしてのスキルもメンタルはかなり高められたと思います。
運転スキルに加えてメンタルも。バスドライバーには、どんな心構えが必要だと思いますか?
運転スキルはもちろんのこと、時間の管理、お客さまとのコミュニケーション、すべてに気を配らなければなりません。ただ、そんな忙しさの中で事故を起こさない如何なる時でも安全管理を最優先することを忘れない、それがいちばん重要だと思います。
安全管理に関して、意識し続けていることはありますか?
何年何十年とドライバーを続ける中で気付いたことは100%の集中力を持つことより、90%の集中力を切らさないよう維持することの大切さ。残りの10%はリラックスした気持ちで。100%だと逆に気疲れが出て集中力が薄れちゃうんです。100%だけど、100%じゃないというか…。バスドライバーを続ける中で見え始めた独自の哲学ですね(笑)。
さて、路線バスのドライバーとしての経験が14年。その後、観光等の「貸切」バスのドライバーへの転職を選んだ、と。
路線バスの仕事は非常に興味深く、モチベーションを持って続けることができたんですが、遠征を含め、さまざまな地へバスを走らせる…そんな観光バスのドライバーに興味を持ち、思い切って転職を決意しました。14年の経験を糧に新たなキャリアステップを踏もうと決心したんです。
「路線バス」と「観光バス」。この二つは、やっぱり大きく違うのでしょうか。
これがまた、まったく違う仕事といいますか。路線バスの仕事は、率直に言って「イケイケどんどん」的な(笑)。安全運転を前提にガツガツ行かないとダイヤを乱してしまう可能性がありますから。とにかく時間を守りながらも、前のめりで仕事をこなしていく感覚ですね。一方、観光バスの仕事は「運転席の後ろで熱いお茶を配ってる」のをイメージして、ゆっくり、とにかく、安全に。この違いも含めて観光バスの仕事はなかなか面白く、モチベーションを持って働けていたんですが…在職中にコロナ禍を受けて業界の様子が変わってしまいまして。
なるほど。コロナ禍で、どのような変化が訪れたのでしょうか。
やはり、観光の機会そのものが減ってしまったので観光バスの仕事もなくなり…。その関係で仕事の内容が大きく変わってしまいました。ありがたいことに、企業さまの送迎バス(シャトルバス)を運転するお仕事など、さまざまな機会をいただいたんですが、一種のアルバイトのような形の雇用形態になってしまって。ここで再び、思い切って転職活動を。
そこでkmモビリティサービスへの転職へ。
そうですね。ただ、転職活動以前からkmモビリティサービスに興味を持っていまして…。お台場で、「お台場レインボーバス」を見掛けたんですよ。どうしても、このバスのドライバーになりたくて…。
なんど、一体どの部分が刺さったんでしょう…?
私、14歳の頃からサーフィンをしていまして…。いやあ、海を渡るバスのドライバーなんて最高の環境じゃないですか。これは、自分にぴったりの仕事だと(笑)。海、車、私の琴線に触れるすべてが揃っていたんです!
今まで出会ったお客さまとの繋がりを意識して。好きな仕事を貫くことで見えた景色。
海を渡る路線バスのドライバー、それが星野さんの辿り着いた天職だったんですね!
そうですね!ただ、元々は観光バスのドライバーになりたい…という思いがあったわけです。入社時にこそっと「観光バスの仕事もできますか?」と相談した所、大歓迎だと!寧ろ、「ぜひやってください」とお声掛けいただいたんです。様々な車種の運転ができる環境というのは、やっぱり魅力的ですね。「路線バス」と「観光バス」では運転操作も走り方も全然違うので、車好きにとっては楽しみながら仕事に取り組めるんですよ。
確かに、ドライバーの方にとって、素晴らしい環境ですね!
観光バスと路線バスの両方挑戦できるというのは、kmモビリティサービスの強みですよね。50代の転職って、一般的には「天井がある」というか。これまで培ったスキルの範囲内で仕事を選択するという世界観だと思うんです。ただ、kmモビリティサービスではまだまだ上を目指せるし、先を見通せる。年齢に関係なくキャリアステップを思い描けるというのは、モチベーションにも繋がりますね。
なるほど!モチベーションと言えば、お客さまとのコミュニケーションからも元気を貰えますよね。
お台場レインボーバスはお客さまとの距離が近いですね。挨拶してくださる方も多く、名前を覚えられていることもあります。実は入社当時から周りのバスドライバーが「お客さま、みなさん顔覚えてくださるんだよ~」…と言っていて(笑)。本当でしたね!逆に、私自身もお客さまの顔をどんどん覚えていく。お客さまをお乗せしたら挨拶をする…という形式的な物ではなく、知っている方の顔をみて挨拶をするという、ごく自然な生活の風景。こんな路線バス、他にないんじゃないかな(笑)。
さまざまな業界・企業を経てバスドライバーとして活躍されている星野さんならではの視点だと思います。ちなみに、これまでの経験が活きていると感じる瞬間や、前職での仕事の進め方・考え方と繋がっている部分などありますか?
そうですね。例えば飲食業界にいた頃のことを思い出すと、あの時は自分が提供するサービスと引き換えにお客さまに育てていただいたという感覚がありまして。だから今でも、料金220円という金額以上のサービスを提供することを目指して仕事に取り組んでいます。それが自分なりのホスピタリティというか、ポリシーというか。今まで出会った、自分を育ててくれたお客さまへの感謝を目の前のお客さまへ返すという感覚ですかね。あの時出会ったお客さまとは違う人でも、何か繋がっている感じがするんです。好きなことを仕事にできていることへの感謝、「恩返し」ですね(笑)。いつ頃からこういう「境地に至った」感覚になったのか…振り返ってみれば、若い頃はある意味「生意気」さを武器にして働いていた部分もあったなあ(笑)。日々を重ねる中で、自分だけの働き方が築き上げられたんだと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!