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代表取締役会長
西川 洋志

100年を超える
歴史を支えている
社員第一主義

2020年に創業100周年を迎えた国際自動車の最大の強みが、「お客さまが何を求められているのか」をいち早く感じ取り対応するホスピタリティ。そして、このホスピタリティを実現させる上で欠かすことのできないのが「社員第一主義」の精神です。お客さまに安全で快適なサービスを提供するためには、社員が気持ちよく働ける環境が重要であり、会社はそういうフィールドを用意しなければなりません。社員と社員の家族の皆さんがまずは健康で幸せになるようにしていきましょうというのが、当社のベースにある考えです。
その取り組みの一つとして挙げられるのが、「禁煙宣言」でしょうか。禁煙外来への費用負担などで禁煙を推奨することで、業界的に水準が高い喫煙率を下げ、健康な環境を推進しています。また、この取り組みを社内に留めることなく、SDGsの取り組みとして昇華させ、日本初の「非喫煙ドライバーのみで運用するタクシー乗り場」をがん研有明病院さまと共に実現しました。社員の健康を増進しながら、社会に貢献していくというモデルケースになりましたね。

そして、当社で特徴的なのがボトムアップの社風です。さまざまな提案を現場レベルから上げてもらう仕組みをつくり、業界の古い慣習にとらわれないイノベーションにチャレンジしています。代表的なものですと、運転手が釣り銭を用意するというタクシー業界の慣例を廃止したこと。「業務で必要な釣り銭を、個人が用意するのはおかしい」という若手の意見を受け、もっともだということで、会社が釣り銭を用意する仕組みに切り替えました。これ、まだ当社以外では導入されてない会社が多いんですよ。当たり前だと思うことも、いざ実現しようとするとたくさんのハードルが存在するんですよね。似たような例として、女性社員の意見に気づきを得て、車内の防臭対策も実施しました。前にご乗車されたお客さまの臭いが残っているとちょっと気分良くないじゃないですか。それが思いもよらず、結果的に市販までする消臭除菌スプレーの自社開発にもつながったんですよ。また、「フルクル」というタクシーアプリは自社スタッフが発案し開発したものです。このように若い人たちや女性の感覚も積極的に取り入れ、タクシー業界の常識にとらわれない変革を続けています。
当社は、いろいろなことをやるので、業界の中でも「何をやるかわからない」と思われているみたいですね。その結果として業界をより良い方向に変え続けてきたという自負はあります。

変化に富んだ
時代だからこそ、
旺盛な好奇心が
欠かせない

自動車業界全般で進むテクノロジーの進化をはじめ、コロナ禍が加速させたライフスタイルの変化、急速に進行する超高齢社会など、私たちを取り巻く環境は大きな変化の真っ只中と言っていいでしょう。
変化に対応する当社の直近の取り組みとしては、まず、「ジャパンタクシー(JPN TAXI)」の全台入れ替えを実施したことが挙げられます。お金はかかりましたが、障がいの有無にかかわらず乗り降りしやすい仕様にくわえ、自動センシング技術が搭載されているため、事故も激減し、安全性の飛躍的な向上が実現できました。また、先に述べた「フルクル」や「S.RIDE」といったタクシーアプリも開発し、積極的に活用しています。
そして、当社独自のコロナ禍対策としては、飛沫感染を防ぐ感染予防シート(L字ガード)を自社開発し、搭載。さらに、ウィルスを不活性化させる低濃度オゾン発生器と空気清浄モニターを設置したニューノーマルタクシーが走りはじめています。
自動運転に関しては、都内を縦横無尽に自動運転の車が走れるのはまだ相当時間がかかるでしょう。しかし、高齢化などによるドライバー不足でたくさんのタクシー会社が廃業している地方に目を移せば、自動運転タクシーの実用化や、自家用車でタクシーの代わりに輸送するライドシェアの導入は、「地域の足を守る」ための解決手段となっていくでしょう。首都圏ではこれからも引き続き、安全と安心が担保されるプロドライバーが運転をするタクシーが、公共交通を担っていくことになります。ライドシェアでできるサービスは、すべてタクシーでできるのが東京の市場なんです。具体的には、乗車前に運賃が確定される「事前確定運賃」がすでに実施されており、これからも「ダイナミックプライシング」や「定期タクシー」「相乗りタクシー」などが実現されることになるでしょう。また当社では、地方自治体などとコラボしながら力になれることも考え、動きはじめています。
昔はタクシー業界の中だけで考えればよかったんですよ。でも、いまは決してそうではありません。DXやAIなどのテクノロジーもどんどん取り入れていかないと、新しいタクシーの進化に結びついていかないんですよね。

今後は、さらに社会環境が激変していくでしょう。安定志向で変化しない会社は、社員みんなの生活を守れなくなってしまいます。そのためには社員一人ひとりも変化にチャレンジする必要がある。自分の生活だけ守ればいいではなく、みんなで会社を支えなきゃいけないし、社会に必要とされる価値ある会社にしていかなきゃいけない。
だからこそ、当社が求めているのは好奇心旺盛な人です。現状に満足して、座っていたって何も変わらない。さまざまなことに関心を持って、いろいろなところに顔を突っ込んで情報を得てくるぐらい行動的であってほしいですね。物事を否定から入らず、なんでも食らいついていくぐらいアグレッシブな姿勢が大事です。そして、いまの時代はスピードが第一。結論が出てからやるのではなく、走りながら考えていく。変化に次ぐ変化の時代を切り拓いていく気概のある人には、ぜひ当社に来てほしいと思いますね。

※掲載内容は取材当時のものです。

Hiroshi Nishikawa

西川 洋志

1949年東京都生まれ。大学卒業後、1972年4月に国際自動車に入社。ハイヤー部門の営業や営業企画を経て、経理部長に就任。2001年に取締役不動産部長に就任。その後、常務取締役、専務取締役、代表取締役社長を経て、2022年10月代表取締役会長に就任。